Maybeモナドの使い道 部分的な失敗を全体的な失敗とする計算(1)

Pocket

※この記事のEither編はこちら

idと名前のデータベースと、順位とidのデータベースからなる、下記のようなフレームワークを考えてみよう。

2位の名前を取り出すには、idFromRank で 2位のidを取り出し、その id を nameFromId に渡して名前を得るものとする。
idFromRank も nameFromId も要求された順位やidのデータがなければ Nothing に評価されるものとする。

このフレームワークを使って、上位3位の名前を取得する関数を作成してみよう。
ポイントは、idFromRank も nameFromId も Nothing に評価されることがあるため、この関数もMaybe型に評価されるものとし、1位から3位までのidがすべて存在し、それらの名前がすべて存在する場合のみJustに評価され、それ以外のときはNothingに評価されるようにすることだ。

下記のように呼び出されるようになればよいだろう。

式を使ったプログラミングで素直に記述する場合、筆者の能力では下記の記述が限界である。
これはどう考えても地獄である。我々が関数プログラミングに求めていたものはこんなものではなかったはずだ。

Haskell には case 文があるので、効果的に使えば下記のように改善することができる。
しかし case 文の入れ子も本質的には地獄である。こんなことなら手続き型言語を使えばよいのではないか。

そこで Maybeモナド登場。
Maybe型のモナドとしての性質を使うと、上記とまったく同じ意味の関数を下記の内容だけで記述することができる。
モナドとしてのMaybe型には、失敗するかもしれない計算どうしを組み合わせるときは、一部でも失敗したらすべてが失敗したことにする
という性質が最初から組み込まれているためである。

全部のせておく。